若くして合格!技術士受験指導

情報工学部門 のの さん

部門: 情報工学部門
専門分野: 情報システム
筆記回数: 2回
口頭回数: 1回

(事務局)まず、技術士試験に挑戦しようとした動機・きっかけを教えてください。

(のの)はい、技術部門に配属になってから4年ぐらいたって、ようやく少しずつ仕事の全体が見え始めた頃、先輩エンジニアと自分の経験の差をなんとか埋めようと多数の資格取得に挑戦していました。いくつかの資格を取得した後、エンジニアとして軸足となるものを定めたいと考えるようになりました。業界は情報処理技術者私権を優遇していましたが、技術士制度が目的とする「科学技術の向上と国民経済の発展」に寄与できる技術者像に惚れ込み、技術士を目指すことになりました。

(事務局)資格を多数取得されていたとのことですが、技術士試験に関連性があり、役立ったと思う資格を教えてください。

(のの)電気通信主任技術者(伝送交換)、第一種情報処理技術者(現:応用情報技術者)ですね。電気通信主任技術者は当時記述式だったため、技術士試験の選択科目に有効だったと思います。また、一種はソフトウェア開発の基礎知識について整理ができ、一次試験に有効だったと思います。

(事務局)技術士試験に挑戦することを決意してから、最初に何から取り掛かりましたか?

(のの)まず、受験経験者を探しました。ですが、当時所属していたソフトウェアハウスの社内には見つかりませんでした。次に本屋に行きましたが、コンピュータ関連の書棚にはありませんでした。ようやく見つけたのは、ニフティサーブ(当時)の資格フォーラムでした。しかし、そこでも情報工学部門の情報はほとんどありませんでした。あきらめ始めていた頃、地域の大きな図書館にいったところ、過去問集が貯蔵されていました。さらに日本技術士会発行の月刊技術士も見つけることができました。月刊技術士には、地域の技術士会が活動していることを知り、早速連絡をとって勉強会に参加しました。そこで、ようやく受験経験者および情報工学部門の先輩技術士を見つけることができました。

(事務局)受験勉強は一人で実施しましたか?それとも仲間をみつけて協力し合いましたか?

(のの)一人で勉強しました。他の部門も含めて、周りに受験生を見つけることができませんでした。

(事務局)勉強時間・場所はどのように確保しましたか?同僚・家族は協力的でしたか?

(のの)主に通勤時間を利用し、電車内で勉強しました。不足分は近隣の駅のコーヒーショップ等で自学していました。家族には極力負担をかけないようにしましたが、試験日直前は2日ほど図書館等で勉強させてもらいました。

(事務局)書籍・サイト・セミナーなど、勉強に利用した情報源を教えてください。

(のの)書籍は国家試験「技術士第二次試験」合格のコツ 論文&口頭試験戦略が、論文のサンプルが多数あって参考になりました。また、業界誌は日経コンピュータですね。セミナー関連では、1度だけ新技術開発センターの無料セミナーに参加しました。それまで気が付かなかった分析がされており、大変参考になりました。

(事務局)筆記回答や論文の添削指導(有料無料問わず)を受けましたか?また、その効果はどのようなものでしたか?

(のの)筆記については独学でした。論文添削は、地域の技術士会で知り合った技術士2名の方に部無料にてお願いしました。添削結果は「単なる報告書」と評価されましたが、何が悪いのかわからずそのまま受験したところ、案の定、不合格となってしまいました。そこでもう一度評価内容を見直し、論文構成を作り直して、ようやく形になりました。やはり、受験経験者(合格者)による添削は最も効果があると思います。

(事務局)技術士試験は受験申し込みから口頭試験まで長い期間を要しますが、勉強を継続するために努力したことはありますか?

(のの)特別なことはしていませんが、多くの時間を費やしてきたのでそれを無駄にしたくないと強く感じていました。

(事務局)筆記試験の直前はどのように過ごしましたか?

(のの)新しいことはせずに、これまでやってきた問題を再確認しました。1週間前にはおなじタイムスケジュールで前年度問題にてリハーサルをしました。このリハーサルのおかげで、タイムプレッシャーを事前に実感でき、当日落ち着いて対応ができたので、有効だったと思います。

(事務局)筆記試験日当日に特別に実施したことがあれば教えてください。

(のの)とにかく記述量が多いので、タオルを凍らせたりサロンパスを準備したりして腕を冷やすようにしました。また、長時間の試験のため、チョコレートなどの糖分摂取に努めました。まるでアスリートのようですね(笑)。

(事務局)筆記試験終了後、どのような気持ちでしたか?また、どのように過ごしましたか?

(のの)時間的・体力的にあまりにも厳しかったので、二度と受けるか!、という気持ちでした(笑)。落ち着いた後は、口頭試験に備えて近くの喫茶店にて回答の再現をしていました。

(事務局)晴れて合格されたわけですが、技術士になって何か変わったことはありましたか?

(のの)残念ながら職場での待遇は変わりません。しかし、自分の中で業務に対する取り組み方に倫理感や視点の幅が広がりました。また、技術士ネットワークに参加することで、専門分野を超えたエンジニアとの交流によって、より懐が深くなったと感じています。

(事務局)今後、技術士としてどのようになりたいですか?

(のの)特定の技術の専門家としてだけでなく、経営全般を支援できるようになりたいですね。経営課題としての技術課題もありますので、経営者の視点で語れるようになりたいです。また、もっと多くのエンジニアに技術士を目指してほしいと思います。単なる資格コレクターでは困りますが、受験に挑戦するだけでも鍛えられますよ。そのための支援ができればと考えています。

(事務局)これから技術士になる方へメッセージをどうぞ

(のの)私が身につけた技術・ノウハウは、先輩・お客様からのご指摘や社会に流通している書籍から培われたものです。したがって、これは社会の資源であると認識しており、還元すべきものと理解しております。技術士であることは、還元する資格を与えられているものと私は捉えており、誇り高くやりがいもあります。また、どの技術士と会話をしても、その能力の高さを感じさせ、いつも知的好奇心を刺激してくれます。多くの技術士は、あなたの専門事項に大変興味があり、会話したいと考えているはずです。私もその一人です。それでは、心からお待ちしております。


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