若くして合格!技術士受験指導

建設部門,上下水道部門,森林部門 荒野の素浪人 さん

部門: 建設部門,上下水道部門,森林部門
専門分野: 河川,砂防及び海岸・海洋,港湾及び空港,施工計画,施工設備及び積算,建設環境,下水道, 森林土木(計3部門6分野)
筆記回数: 7回(うち,上下水道部門(下水道)で1回不合格)
口頭回数: 6回(初回受験時,筆記合格後に口頭で不合格)

(事務局)まず、技術士試験に挑戦しようとした動機・きっかけを教えてください。

(荒野の素浪人)実務経験が7年目を迎えた頃,技術者としての「自分の看板業務」と自負できる業務に巡り合い,主担当者として充実した仕事を遂行することが出来ました。それがちょうどいいタイミングで技術士第二次試験の受験に必要な実務経験年数と合致し,自分の技術の集大成のつもりで技術士第二次試験に挑戦しました。

(事務局)技術士試験に関連性があり、役立ったと思う資格を教えてください。

(荒野の素浪人)私は当時,地方公務員で発注者側に身を置いていたので,受注者側の土木系企業技術者であれば20代で当然取得しておくべき測量士や土木施工管理技士といった技術者資格は,業務遂行上,必要ありませんでした。ですから,私自身はこれらの資格を技術士試験以前に取得していた訳ではありませんが,20代の若手技術者の方には,業務遂行上の必要性や技術者としてのステップアップのみならず,「仕事をしながら日々の生活の中に受験勉強を取り入れる」ことに早期に慣れておくためにも,技術士試験受験の前段階としての受験および資格取得を強くお薦めします。

(事務局)技術士試験に挑戦することを決意してから、最初に何から取り掛かりましたか?

(荒野の素浪人)過去15年分くらいの試験問題の収集と,それらの模範解答論文の収集から始めました。私が初受験した平成5年度当時はネット社会の夜明け前で,技術士試験に関する巷の情報が極端に少なかったため,解答論文の書き方を参考にするために,自分の受験部門や受験分野とは異なる部門・分野の解答論文例も収集して参考にした記憶があります。

(事務局)受験勉強は一人で実施しましたか?それとも仲間をみつけて協力し合いましたか?

(荒野の素浪人)たった一人での挑戦でした。私は当時,地方公務員で年齢は満29歳だったので,周りに技術士を目指す同世代は皆無でした。

(事務局)勉強時間・場所はどのように確保しましたか?同僚・家族は協力的でしたか?

(荒野の素浪人)「週20時間の学習時間の確保」を目標として,まず,勤務前の早朝,職場近くの喫茶店でモーニングサービスを頬張りながら1時間,要点やキーワードの記憶にひたすら努めました。昼休みは職場で仕出し弁当を食べながら30分間,建設白書や業界雑誌を読みふけっていました。自宅に帰ってからは,残業で帰りが遅かったり,付き合いで飲んで帰ったりした時でも,眠くても吐きそうになっても,「学習を継続するんだ!」という一心で最低30分間は机に向かいました。以上をもってしても,1日平均2時間(平日5日間では計10時間)が限度なので,不足の10時間分は,土・日曜日を使って穴埋めしました。  いずれも勤務時間外の行動(公務員としては当然です)なので,同僚は私が一体何をしていたのか,最終合格までまったく知りませんでした。また,初回受験時は独身,2回目受験時は結婚していましたが,まだ子供がおらず,夫婦共働きだったので,幸運にも,受験のために家族に負担をかけるという事態は生じませんでした。技術士は若い頃にさっさと取得しておくべものである,とつくづく思います。

(事務局)書籍・サイト・セミナーなど、勉強に利用した情報源を教えてください。

(荒野の素浪人)近代図書が発行している過去問題集が,情報源のすべてでした。

(事務局)筆記回答や論文の添削指導(有料無料問わず)を受けましたか?また、その効果はどのようなものでしたか?

(荒野の素浪人)添削指導は受けたことがありません。有料・無料を問わず,そのようなシステムが存在すること自体,当時の私はまったく知りませんでした。

(事務局)技術士試験は受験申し込みから口頭試験まで長い期間を要しますが、勉強を継続するために努力したことはありますか?

(荒野の素浪人)上述のとおり,学習時間の目標値「週20時間」のために,@日々の生活の中で学習時間をいかに効率的に確保していくか,A日々の業務の中に技術士受験との接点をいかに見いだすか(業務自体が受験勉強),の2点が,「学習を継続していく」ための鍵でした。

(事務局)筆記試験の直前はどのように過ごしましたか?

(荒野の素浪人)時間を計って,ひたすら解答論文の手書き練習に努めました。ペンだこを3回潰して,いずれも蘇生させました。

(事務局)筆記試験日当日に特別に実施したことがあれば教えてください。

(荒野の素浪人)夏の炎天下,昼食の「食べ過ぎ」と「食あたり」だけが気になったので,受験時はどの回でも昼食は「菓子パン2個(アンパンなど絶対に腐りそうにないもの)」と決めていました。

(事務局)筆記試験終了後、どのような気持ちでしたか?また、どのように過ごしましたか?

(荒野の素浪人)「筆記試験で落ちれば,自分の解答内容のレベルが低かっただけだ。」と,自分にいい聞かせながら,筆記試験の翌日から「解答論文の復元」と「面接対策」といった,口頭試験の準備に取りかかりました。。

(事務局)技術士になって何か変わったことはありましたか?

(荒野の素浪人)自分の技術に対する「自信」と「責任」のようなものが,ほぼ同時に芽生えたような気がします。プロの技術者として,言動に自信と誇りを持つ一方,発する言葉や行動が,より慎重になりました。

(事務局)今後、技術士としてどのようになりたいですか?

(荒野の素浪人)私は現在,縁あって大学教員をしております。学生相手の教育も研究も大好きなので,今後,よっぽど劇的な宗旨替えでもしない限り,教員生活をまっとうすることになると思います。そんな私の技術士としての仕事は,一人でも多くの技術士試験合格者を輩出できるよう,受験勉強のお手伝いをすることです。なぜなら,私にとって,それが大学教員の立場を離れて,一技術者として実社会との接点が見いだせる唯一の手段だからです。

(事務局)これから技術士になる方へメッセージをどうぞ

(荒野の素浪人)
1.技術士受験は,「思い立ったが吉日」です。受験を思い立った今こそが,貴方にとっての受験適齢期です。「婚期」を逃さないよう,「根気」をもって,「今期」にぜひ合格して下さい。
2.とかく先が長い受験勉強には,支え合う仲間が絶対必要です。時には情報を共有し,時にはライバルとして切磋琢磨し,お互いを高め合って下さい。それには,仲間が貴方を高めてくれるように,貴方自身が「仲間を高める者」の一人になることです。
3.勝敗は時の運です。ベストを尽くしても全員が合格できるわけではありません。たとえ不合格であっても腐らず,身の不幸を嘆かず,次回の朗報を信じて受験し続けて下さい。宝くじと一緒です。買わなければ当りません。受けなければ合格できません。しかし,技術士試験と宝くじが大きく違うのは,技術士試験の合格は「貴方自身の智恵と努力で,運を引き寄せるものである」ということです。どうかお励み下さい。


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