また不合格だ・・・
何度受けても通らない・・・
もうあきらめようか・・・
技術士受験支援サイト「若くして合格!技術士受験指導」では、なかなか合格できず、あきらめかけた受験生が助けを求めて駆け込んできます。彼らの経歴は受験基準を充足しており、技術に対する知識は十分あるにもかかわらず、何度受験しても合格できないのです
不合格の理由
なぜ、合格できないのでしょう?一体何が間違っているのでしょう?
まずは、日本技術士会HPに掲載されている技術士第二次試験実施大綱を見てみましょう。
平成24年度の技術士第二次試験実施大綱には、以下のように記載されています。
技術士第二次試験実施大綱(抜粋) (1) 技術士第二次試験は、機械部門から総合技術監理部門まで21の技術部門ごとに実施し、当該技術部門の技術士となるのに必要な専門的学識及び高等の専門的応用能力を有するか否かを判定し得るよう実施する。 (2) 試験は、必須科目及び選択科目の2科目について行う。 出題に当たって、総合技術監理部門を除く技術部門における必須科目については当該技術部門の技術士として必要な当該「技術部門」全般にわたる論理的考察力と課題解決能力について、選択科目については当該「選択科目」に関する専門知識と応用能力について問うよう配慮する。 |
さらに試験実施の根拠である技術士法も見てみましょう。
技術士法(抜粋) (目的) 第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。 |
いかがですか?
経歴が充足しており、技術に対する知識は十分あっても合格できない理由は見つかりましたか?
見つからない場合は、一言一句を雑に扱っていませんか?もう一度丁寧に読み込んでみてください。国家試験の要領、国で定めた法律に無駄な文字は一切ないと考えてください。
見つかりましたか?
答えは、
です。
「応用」とは、創意工夫して現実問題に適用する、というような意味です
なぜ実施大綱や法律に「応用」という文字が含まれているのでしょうか?そもそも「応用」とは、正確にはどういう意味でしょうか?
goo辞書によると以下のように記述されています。
技術士試験における”実際の事柄に当てはめる”とは、具体的に何に対して当てはめることを言っているのでしょうか?もう一度、技術士法を見てみましょう。
技術士法(抜粋) (目的) 第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。 |
先ほどより、理解できてきたのではないでしょうか?そうです、第一条に記載されているとおり、「科学技術と国民経済」に対して当てはめることを行っています。技術士制度の目的とは、「科学技術の向上と国民経済の発展」に寄与することであり、それに役立つ人材(=技術士)を育成することなのです。
つまり、技術士と認められる(=試験に合格する)には
ということです。
科学技術向上や国民経済発展に貢献できる人材というのは、どういう人材でしょうか?
技術をよく知っているだけの偏りのある技術者は、科学技術向上や革新には重要な人材ではありますので、その部分では認める施策はあるでしょう。しかし、国民経済発展を託す、というのは難しいのだろうと思います。技術士に期待する範囲としては、技術的工夫だけでなく、市場へ適用して経済発展に寄与することを含んでいるのです。
経歴もあり、技術知識も豊富でもあるのに不合格となる受験者は、このところが理解できていません。保有している経験・知識をどのように活用してほしいと考えて技術士制度が運営されているのか、ということを理解していないのです。
何が足りないのか?
では、どうすればよいのでしょう?
これをすれば合格する、などのような明確な解はありませんが、過去に技術士に合格した人たちから学ぶことができるのではないかと思います。
合格した人たち(技術士)は、不合格の人たちと何が違うのか?同じような経歴にもかかわらず、なぜ差が生まれるのか?
多くの技術士と語り合い、行動をつぶさに見てみると、単なる技術者とは異なる、ある種の独特の雰囲気を持っています。変人という意味ではありません。厚みがあり、安心感を与え、洞察力が深いことがにじみ出ているのです。技術士の行動習慣は、視野が広く、常に先を見据えています。優秀な人がいつも時間に余裕があるように見えるのは、そういった行動習慣の結果なのです。
そこで、技術士と同じ行動習慣を実践し、実際に合格できた受験者の経験を基に1年間の取り組むべき事項を取りまとめました。
あなたへのメッセージ
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
上記に記載したように、技術士制度の本質を理解し、それに応じた対処をすること。これも技術士に求められている応用能力の一つであろうと思います。技術士試験は、技術的な学習も当然ですがこのような受験プロセスも教育の一環であるとみなすことができるのです。
受験にあたり、合格までの間に苦しい時期があることを前提に、ぜひ最後まで取り組んでいただきたいと思います。そして、あなたが晴れて合格された暁には、技術士の存在目的である社会への貢献を、私たち既技術士と力をあわせて実施させていただきたいと考えています。